世界中で大人気の日本の漫画・アニメ。
この礎を作ったのは手塚治虫だと一般的には思われているが、実は彼に大きな影響を与え、今も続く表現形式の原型を作り出した二人の先人漫画家が、明治・大正・昭和のはじめに活躍していた。
北澤楽天と岡本一平。
楽天は福沢諭吉が創刊した『時事新報』で風刺画を描いたのを皮切りに、漫画におけるキャラクターの重要性や日本初の「少女漫画」を生み出した。
一平は夏目漱石に認められて『朝日新聞』に挿絵を描いたのち、コマ割りと文章を組み合わせて大河ドラマ的な作品を作るストーリー漫画の原型を作り出した。
さらに両者は漫画雑誌や全集・作品集も大ヒットさせ、経済・社会・文化的にも大きな影響を残した。
彼らの足跡をつぶさに紹介し、さらに手塚の活動も解説することで、今や日本を代表する文化となった漫画・アニメの、明治から昭和までの歴史を描き出す。